鳥衝突日本委員会

どんな被害があるのでしょうか。

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Newsに表立って報道されるような大事故は、飛行の割合から言えば、非常にまれなケースといえます。その頻度は別項にゆずるとして、まずどんなタイプの被害が発生しているのかを調べてみます。

直接被害

鳥との衝突によって機体操作が不能になり、失速・墜落する。この場合には死亡や傷害といった人的被害が最大のものでしょう。

人的被害はなくても、機体に損傷を受けることがかなりあります。その大きなものは、エンジンへの吸込みによる損傷、タービンブレードの損傷。機首にはレーダが格納された部分がありますが、そこが損傷して中の精密測定器まで壊れてしまう。あるいは前面には当然運転席があり、そこの風防の破損は、パイロットの視界をふさぐので、大事故に結びつきやすい。あるいは翼には監視・制御用の精密構造体が多数設置されていて、それに衝突すると、機体のコントロールが利かなくなる。着陸時や離陸時には脚が格納庫から引き出されていて、そこにも精密な構造体があり、それが損傷すると着陸が困難になる。

 

運用上の被害

事故の大小にかかわらず、機体損傷事故が発生した場合には、その便の欠航や他空港への迂回などに伴う、機体調整が必要になります。

あるいは、欠航により他便への乗客の張替え等による余計なコストが発生します。

たとえ小さな衝突であっても、機体の調査等が必要になるので、それだけ余計な整備時間が必要となり、定時運行上の障害となります。

 

間接被害

飛行機の安全性に対する疑問や、冗長性付加要求などの社会的受容性の問題

 

 

これらの被害による損失をコストとして評価するのは非常に困難な作業です。それについては別項で試算を紹介しますが、一説には、全飛行で平均化すると、一飛行あたりで約75ドルと言われています。これは実際の1/5程度とも言われており、全飛行回数を考慮すると、全体では大変な損害額になっていることが容易に想像できるでしょう。

このような有形な破損や損傷があると、その修理コストが大きなものとなり、航空会社への負担が大きいのです。

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