鳥衝突日本委員会

衝突時の衝撃の強さについて

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鳥衝突は、表面的には極端なケースしか耳目に触れることは少ないが、別項でみたように、機体のどこに衝突するかによりその被害の程度は異なっている。しかし同じ鳥の種類が機体の同じ個所に衝突した場合の被害の大きさは、鳥と飛行機の相対速度の大きさに依存する。つまり衝突時の衝撃の大きさは速度の二乗に比例する。

例えば飛行速度が200キロメートル毎時とすると、鳥との衝突では軽く数トンの力が鳥の大きさの断面積程度の広さにかかることになるから、機体の損傷は軽くはないのである。 離陸直後以外は飛行機の速度が鳥の飛翔速度よりもはるかに大きいので、速度が低いほうが、つまりはゆっくりとした飛行の方が被害が小さくてすむということになる。簡単に考えると、なるべく速度を上げて、鳥が飛んでいる空間を速く抜けてしまったほうが良いように考えられるし、事実パイロットはそのようにして運転している。

しかし鳥衝突専門家は、必ずしもそれは正しくなく、被害程度を小さくするためには、ゆっくり飛ぶほうが良いと提言している。 この事は、別項でのべるリスクを示す関数関係の中にも含まれるもので、もっと深刻に取り扱って考察されてしかるべきと筆者は考えている。

Dolbeerによる議論を見てみよう。 近年の鳥衝突問題の増加は,鳥の数が急激に増加したことと,航空機のエンジンがジェット化して清音化したことが原因である。

大きな被害をもたらした事故を詳細に調べてみると,24件-18件がターボファン型エンジンで,6件がターボジェット型エンジン-が鳥衝突が原因であった。それらは,航空機の100ft以下での離陸・上昇時の衝突が17件と圧倒的に多いことがわかる。その中の少なくとも14例では,エンジン一台あるいは二台に鳥が吸い込まれている。ターボジェットエンジンの場合の6例すべてで,離陸上昇中に鳥の吸い込みが発生している。

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