鳥衝突日本委員会

鳥レーダとは2 ヨーロッパでは?

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ヨーロッパでも基本的にはレーダの利用は、渡り鳥の検出というアメリカと同じ理由で始まった。しかし鳥衝突対策の一部としての鳥レーダの開発は、アメリカとは異なった戦略がとられている。アメリカでは日本の海洋レーダを転用した形で開発されているが、これは民間だからの発想で、コスト低減という立場からの開発戦略である。ヨーロッパでは、鳥衝突対策そのものが国家戦略として位置づけられ推進されてきている。さらに、ヨーロッパでは鳥の移動は当然国際的になり、対策そのものも国際的、あるいはEU全域的にならざるを得ない。

ヨーロッパではROBINという名称でオランダが鳥レーダーを開発している。これは、前述したパルス方式ではなく、連続ビームのマイクロ波の反射波の中に、位相情報として含まれている情報を取り出す特殊な方式で、独自に開発されたものである。このレーダはオランダ軍が主に運用試験を行ってきており、その効率の良さやクラッターノイズの影響が少ないことなどが確認されていて、今後専用の鳥レーダとして普及が予想されている。

対象となる鳥の移動は、ヨーロッパでは北米と異なり、国境を越えた移動が問題であるから、他国間での情報の共有が必要となる。さらには、レーダは簡単に他国上空の情報補足になるので、各国の協調ということも重要である。鳥の種類に違いだけではない特殊な問題も含んで、対策がとられている。

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