鳥衝突日本委員会

鳥を近寄らせない対策

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空港敷地は滑走路等がほとんどコンクリート舗装されているが、砂漠にある空港以外では、残りの大部分の土地は草地である。少なくも敷地内には背の高い樹木は植えられていない。この草地の管理にも相当の配慮がなされている。

最近は各地で都会化して餌場がなくなったり、鳥害対策として鳥の駆除が行われていたりして、鳥にとっては住みにくい時代となっている。しかし駆除とはいっても殺してしまうことはなく、単に追い払っているだけなので、結局、鳥は住みやすい場所に移動してくる。空港はその中でも比較的快適な土地のようで、どんどん鳥が集まってきている。このことがBSの多発につながっている遠因でもある。

多くの種の鳥は草地に生えている草を餌としている。それでそこにいる鳥の種類を調べ、その鳥の餌にならないような種類の草を植えることで、鳥が集まるのを防止している。またそのような草地は鳥に快適な営巣地を提供することもある。営巣するのは草に隠れることができるからである。そこで、その草を刈り取る時期や刈り取る方法、背丈の適当な高さの決定などといった管理をきちんと行う必要がある。

また直接その植物が鳥に対するAdvantageとなるだけではなく、そこに昆虫などが生息することで、鳥の餌が提供されることもありうる。そのような総合的な習性管理(ハビタートコントロール)を継続的・系統的に行うことが重要であり、そのような観点から具体的に実施されている空港も多い。

あるいは新しい空港を作る場合や拡張によってあらたな施設ができる場合には、建物周辺の環境整備の一環としての造園工事がおこなわれる。そこでも使われる植物の選択には、上のような鳥の習性を考慮した造園設計が行われることが必要である。

米国では、空港に生物学者が配置されているところが増えているのは、そのような理由からである。

 

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