鳥衝突日本委員会

鳥衝突データベース5 衝突する場所について2

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近年の航空機は非常に大型化しているから、鳥が飛行物体だと認識できなくなっているのではないか、ということがしばしば言われている。そのために衝突が増えているのかも知れないという見方もあって。確かに否定はできないが、どう証明するのだろうか?

鳥衝突では、衝突した鳥はほとんど100%が死んでいるだろう。(そのような統計は見たことがない。)事故後の写真をみても、飛行機と一体になっているものは羽や足だけのほぼ残骸だけで、姿全体は残していない。エンジンに吸込まれたような場合にはとくに一枚の羽程度しか残っていない。

では飛行機の機体のどこに衝突するか。

やはり一番多いのは機体前面にあるラドームあるいはノーズと呼ばれるところである。大型機の一番前の部分はレーダーを搭載してあり、そのためにRadarDomeと呼ばれている。ここに全体の26%が衝突している。しかし衝突損害はそれほど多くはなく、損害が出た場合の15%となっている。つまりたいていは衝突しても損害が出るほどではなく、鳥が死亡する程度ということになる、もちろん写真のように大事になることもある。

次がパイロットがいる操縦席に前面にある風防で、全体の18%である。そして次がエンジンと翼がそれぞれ18%と16%である。この二ヶ所では損害がでる割合が高く、それぞれ33%と22%の損害割合となっている。つまりこの二ヶ所に衝突して損害がでる割合が50%ということで、衝突損害の半分はこの部分への衝突ということになる。その他は胴体と脚部、プロペラ、尾翼、照明装置となっている。

ちなみに、一般の動物との衝突は当然地上で発生するのが通常であるから、翼と脚部で半数以上を占めている。

 

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